豊かな表情《イソップ絵噺》

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ページ番号1005013  更新日 2023年5月29日

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会期
2023年6月8日(木曜)~2023年11月5日(日曜)
会期中休館日

2023年6月28日(水曜)、7月19日(水曜)~7月28日(金曜)、8月30日(水曜)、9月11日(月曜)~9月22日(金曜)、9月27日(水曜)、10月25日(水曜)

 幼い頃からイソップ物語に親しんでいた萩原は、1976年に《イソップ絵噺》シリーズを発表しました。テーマを完璧に表現するために自由奔放な線の表現を求め、自らが開発した木版の凹版技法を駆使して制作されたこのシリーズは、着想から完成まで20年を要しました。

 萩原が《イソップ絵噺》シリーズより先に完成させていた《ギリシャ神話》シリーズとあわせてこれらの作品で表現したかったのは、「広く大きな愛、人を人たらしめる愛なのだ。大きな愛情。人間的な愛情は、人間存在の根源だ。(中略) 私をして作品を作らしめるもの、それは、人への、ものへの、大きな愛情だ」(『美の遍路』1996年)と語っています。萩原の手によって、鮮やかな色彩と柔らかな線で表情豊かに描かれた《イソップ絵噺》全50点をどうぞお楽しみください。


作品:イソップ絵噺より蚊と牛
萩原英雄《〈イソップ絵噺〉より 蚊と牛》1976年

萩原英雄略歴

1913(大正2)年
山梨県甲府市に生まれる
1932(昭和7)年 19歳
白日会第9回展に油彩「雑木林」出品、光風会展第19回展に油彩「上り道」出品
1938(昭和13)年 25歳
東京美術学校(現東京藝術大学)油画科卒業
1951(昭和26)年 38歳
銀座資生堂で「萩原英雄(油彩)」個展開催
1956(昭和31)年 43歳
銀座養清堂画廊で「萩原英雄版画」個展開催、日本版画協会、第24回展出品、以後、第43回展を除き出品を重ねる
1960(昭和35)年 47歳
第2回東京国際版画ビエンナーレで神奈川県立近代美術館賞受賞
1962(昭和37)年 49歳
第7回ルガノ国際版画ビエンナーレでグランプリ受賞
1963(昭和38)年 50歳
第5回リュブリアナ国際版画ビエンナーレでユーゴスラビア科学芸術アカデミー賞受賞
1966(昭和41)年 53歳
第5回東京国際版画ビエンナーレで文部大臣賞受賞
1967(昭和42)年 54歳
第1回チェコスロバキア国際木版画ビエンナーレでグランプリ受賞
2007(平成19)年
11月東京で歿、享年94歳