物語をカタチにする
- 会期
- 2020年10月1日(木曜)~2021年2月28日(日曜)
- 会期中休館日
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2020年10月21日(水曜)~10月30日(金曜)、11月25日(水曜)、12月14日(水曜)~2021年1月8日(金曜)、1月27日(水曜)、2月17日(水曜)、2月24日(水曜)
1953年から3年間、萩原英雄は重度の結核のため、救世軍杉並療養所での闘病生活を余儀なくされました。生きる希望を失いかけた萩原を救ったのは画家として絵を描くこと。入院中に、木版画に目覚めた萩原は病床にて小品を中心に制作。そのなかに「二十世紀」シリーズも含まれます。“戦争”や“死”など、重苦しいテーマを描きながらも、聖書やギリシャ神話などの題材を想起させる美しい色彩に彩られた11点からなるこのシリーズは、生命への執着と、死の恐怖、神への祈りがない交ぜになったような強烈な輝きを感じさせます。今回は、萩原が“聖書に匹敵する壮大な文学”と捉えて形にした「ギリシャ神話」シリーズと、“大人に捧げる絵本”と称してまとめた「イソップ絵噺」シリーズからも出展。3つのシリーズを通して、”線”の技法と、作品の根柢に流れる”人間への愛”を感じて頂ければ幸いです。




萩原英雄略歴
- 1913(大正2)年
- 山梨県甲府市に生まれる
- 1932(昭和7)年 19歳
- 白日会第9回展に油彩「雑木林」出品、光風会展第19回展に油彩「上り道」出品
- 1938(昭和13)年 25歳
- 東京美術学校(現東京藝術大学)油画科卒業
- 1951(昭和26)年 38歳
- 銀座資生堂で「萩原英雄(油彩)」個展開催
- 1956(昭和31)年 43歳
- 銀座養清堂画廊で「萩原英雄版画」個展開催、日本版画協会、第24回展出品、以後、第43回展を除き出品を重ねる
- 1960(昭和35)年 47歳
- 第2回東京国際版画ビエンナーレで神奈川県立近代美術館賞受賞
- 1962(昭和37)年 49歳
- 第7回ルガノ国際版画ビエンナーレでグランプリ受賞
- 1963(昭和38)年 50歳
- 第5回リュブリアナ国際版画ビエンナーレでユーゴスラビア科学芸術アカデミー賞受賞
- 1966(昭和41)年 53歳
- 第5回東京国際版画ビエンナーレで文部大臣賞受賞
- 1967(昭和42)年 54歳
- 第1回チェコスロバキア国際木版画ビエンナーレでグランプリ受賞
- 2007(平成19)年
- 11月東京で歿、享年94歳