無垢な表現
- 会期
- 2022年3月3日(木曜)~6月5日(日曜)
- 会期中休館日
-
2022年3月30日(水曜)~4月15日(金曜)、4月27日(水曜)、5月25日(水曜)
「私の生涯を律してきたのは、純粋という一語だと思う。今日という日に至るまで、純粋なるものだけを追い求め、純粋に生きようと努めてきた。純粋無垢なものだけが、美しい。」
木版画家・萩原英雄は常に新しいことに興味を持ち、革新的な手法に挑み続けました。いわば“版木のコラージュ”のような技法や「両面摺り」、そして、木版画の世界では不可能とされた「凹版摺り」の確立。萩原は、版画のために下絵を描いたことはなかったといいます。最初から版木に向かい、摺る直前になって初めて色を決めました。まるで“慣れる”ことを怖れるかのように、飽くことのなく探求し続けた創作への真摯な姿勢は、常に純粋無垢な美の創造者でありたいという強い願いのあらわれであったのかもしれません。美しい色彩とフォルム単純なフォルムが生み出す、萩原英雄の無垢な表現をお楽しみください。




萩原英雄略歴
- 1913(大正2)年
- 山梨県甲府市に生まれる
- 1932(昭和7)年 19歳
- 白日会第9回展に油彩「雑木林」出品、光風会展第19回展に油彩「上り道」出品
- 1938(昭和13)年 25歳
- 東京美術学校(現東京藝術大学)油画科卒業
- 1951(昭和26)年 38歳
- 銀座資生堂で「萩原英雄(油彩)」個展開催
- 1956(昭和31)年 43歳
- 銀座養清堂画廊で「萩原英雄版画」個展開催、日本版画協会、第24回展出品、以後、第43回展を除き出品を重ねる
- 1960(昭和35)年 47歳
- 第2回東京国際版画ビエンナーレで神奈川県立近代美術館賞受賞
- 1962(昭和37)年 49歳
- 第7回ルガノ国際版画ビエンナーレでグランプリ受賞
- 1963(昭和38)年 50歳
- 第5回リュブリアナ国際版画ビエンナーレでユーゴスラビア科学芸術アカデミー賞受賞
- 1966(昭和41)年 53歳
- 第5回東京国際版画ビエンナーレで文部大臣賞受賞
- 1967(昭和42)年 54歳
- 第1回チェコスロバキア国際木版画ビエンナーレでグランプリ受賞
- 2007(平成19)年
- 11月東京で歿、享年94歳