浮かびくるかたち

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ページ番号1002413  更新日 2022年3月28日

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会期
2019年11月14日(木曜)~2020年2月23日(日曜)
会期中休館日
2019年11月27日(水曜)、12月4日(水曜)~2020年1月10日(金曜)、1月29日(水曜)、2月19日(水曜)

「…ぼくはフィクションが好きなんです。たとえば《パリの屋根》は、実際の風景とは全然違うでしょう。ぼくの心象風景のパリの屋根を表現したら、ああなったわけ。西瓜やさくらんぼにしても同じですよ。だから数十年後のある朝、ふと浮かんできた形を絵にすることもあるんです」と浜口陽三はいいます(『パリと私―浜口陽三著述集』2002年)。原画を描いたものがすべて銅版画に完成したわけではなかったようですが、「長い間寝かして」いたかたちが、ふたたび浮かびあがることもありました。

画題もたいせつに考えていた浜口。彼のかたちと、素朴な画題との響きあいも、ぜひ味わってみてください。

作品:スペイン風油入れ
浜口陽三 《スペイン風油入れ》 1954年

浜口陽三略歴

1909(明治42)年
和歌山県広川村に生まれる

1930(昭和5)年

21歳

東京美術学校(現東京藝術大学)彫刻科中退、パリに移住

1933(昭和8)年

24歳

サロン・ドートンヌに出品

1938(昭和13)年

29歳

パリで水彩画と版画の最初の個展開催

1953(昭和28)年

44歳

関野準一郎、駒井哲郎と共に日本銅版画家協会を創設

1954(昭和29)年

45歳

第1回現代日本美術展で「スペイン風油入れ」と「ジプシ-」が佳作賞受賞

1957(昭和32)年

48歳

第1回東京国際版画ビエンナーレで国立近代美術館賞受賞
第4回サンパウロビエンナーレ国際美術館グランプリ受賞

1961(昭和36)年

52歳

第4回リュブリアナ国際版画ビエンナーレグランプリ受賞

1977(昭和52)年

68歳

第12回リュブリアナ国際版画ビエンナーレサラエボ美術アカデミー賞受賞

1982(昭和57)年

73歳

北カリフォルニア版画大賞展グランプリ受賞

2000(平成12)年

12月東京で歿、享年91歳