まなざしの軌跡

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ページ番号1002407  更新日 2022年3月28日

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会期
2021年6月3日(木曜)~10月3日(日曜)
会期中休館日
2021年6月30日(水曜)、7月14日(水曜)~16日(金曜)、22日(木曜)~30日(金曜)、8月12日(木曜)~20日(金曜)、25日(水曜)、9月29日(水曜)

「最近は毎日、虫の観察をしています。蝶々とてんとう虫がテーマとして多いというのは、形になる、絵になるからなのです。」(『パリと私-浜口陽三著述集』2002年)

浜口陽三(1909~2000)は、黒から白への濃淡が微妙な階調を生み出すメゾチントを独学で習得し、のちに、赤・青・黄・黒の四版を重ねて刷るカラーメゾチントへと発展させることで独自の世界を確立しました。

モチーフの多くは、食卓にのぼる果物や日常でふと目に留まった蝶やてんとう虫といった小さないきものなど身近にあるものばかりです。しかし、浜口の版画作品では、深みと透明感をあわせもったかすかな光の宿る暗い空間の中に象徴的に置かれることで、たちまち印象深い情景に変わります。

本展では、「蝶」「てんとう虫」「貝」などのいきものに注目します。浜口のいきものをみつめる愛情深いまなざし、形そのものに興味を抱いてみつめるまなざしをどうぞご堪能ください。

作品:かに
浜口陽三《かに》1959年

浜口陽三略歴

1909(明治42)年
和歌山県広川村に生まれる

1930(昭和5)年

21歳

東京美術学校(現東京藝術大学)彫刻科中退、パリに移住

1933(昭和8)年

24歳

サロン・ドートンヌに出品

1938(昭和13)年

29歳

パリで水彩画と版画の最初の個展開催

1953(昭和28)年

44歳

関野準一郎、駒井哲郎と共に日本銅版画家協会を創設

1954(昭和29)年

45歳

第1回現代日本美術展で「スペイン風油入れ」と「ジプシ-」が佳作賞受賞

1957(昭和32)年

48歳

第1回東京国際版画ビエンナーレで国立近代美術館賞受賞
第4回サンパウロビエンナーレ国際美術館グランプリ受賞

1961(昭和36)年

52歳

第4回リュブリアナ国際版画ビエンナーレグランプリ受賞

1977(昭和52)年

68歳

第12回リュブリアナ国際版画ビエンナーレサラエボ美術アカデミー賞受賞

1982(昭和57)年

73歳

北カリフォルニア版画大賞展グランプリ受賞

2000(平成12)年

12月東京で歿、享年91歳