収蔵品”花と果物”×絵本作家・荒井真紀=かんさつのじかん

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ページ番号1006448  更新日 2024年9月21日

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収蔵品×荒井真紀 チラシ ひまわり バージョン

会期
2024年7月27日(土曜)~9月1日(日曜)
休館日
7月31日(水曜)/8月28日(水曜)
開館時間
10時00分~19時30分
入館料
300円(中高生100円、小学生以下・65歳以上・障がい者の方は無料)
主催
武蔵野市立吉祥寺美術館<(公財)武蔵野文化生涯学習事業団>
協力
金の星社・小学館・福音館書店

えを かんさつすること。 しょくぶつ の いのちを しること。

満開のひまわり

赤く色づいたベリーの切り抜き

 

荒井真紀(1965-)が手掛けたノンフィクション絵本原画と、花や果物、野菜をモチーフに描かれた収蔵作品とのコラボ展示のテーマは“観察”。

荒井自身、植物を描く上で大切にしていることは、“観察”だといいます。

「…種から芽が出て葉が開き、花が咲く。やがて花が散って、再び種ができる瞬間には、自然の神秘を感じます。そして、それは生命が次世代に受け継がれた瞬間でもあります」(荒井真紀)

今回、荒井の絵本原画の解説や子ども向けのワークシートには、NHK「ダーウィンが来た」への番組出演や取材協力などでも知られる、植物観察家・鈴木純(1986⁻)の着眼点も加わります。

絵本原画と収蔵作品(日本画、油彩画、版画、イラストレーション)、あわせて約100点の絵と向き合い、「観察の楽しさ」を感じて頂ければ幸いです。

『ひまわり』(文・絵 荒井真紀 金の星社 2013年) 

01 絵本作家・荒井真紀の「かんさつのじかん」

…テーマは「生命の循環」

 第1部は、絵本作家・荒井真紀の作品、約70点を通して向き合う「かんさつのじかん」。16歳で弟子入りした、細密画家・熊田千佳慕(1911-2009)の影響を受けた徹底した自然観察への姿勢と共に、子どもたちに身近な植物の生態をわかりやすく伝えたいと、荒井が願い作るノンフィクション絵本には、図鑑的な写実要素だけではなく、独自の観察眼と植物への優しさが溢れています。

2017年、国際的に権威ある賞として知られる、ブラチスラバ国際絵本原画展にて「金のりんご賞」を受賞した『たんぽぽ』をはじめ、『あさがお』、『ひまわり』の三部作、そして、“花”だけでなく、『いちご』、『トマト』、『まどのむこうの くだものなあに?』の“果物”、『まどのむこうの やさいはなあに?』の“野菜”など、誠実に丁寧に描かれた作品からは「生命の循環」が伝わって来ます。話題の植物観察家・鈴木純ならではの、「観察コメント」にも注目です。なお、本展では、未刊行の絵本『そのなかには……?』(「ちいさなかがくのとも」2025年1月号 福音館書店)の原画も展示予定です。


生命を尊ぶ優しさに満ちた眼差し

『たんぽぽ』(文・絵 荒井真紀 金の星社 2015年)より
『たんぽぽ』(文・絵 荒井真紀 金の星社 2015年)
いちごとすずめ
『いちご』(作 荒井真紀 小学館 2020年)
『チューリップ』(作 荒井真紀 小学館 2017年)より
『チューリップ』(作 荒井真紀 小学館 2017年)

ひとつの場面を完成するまで、約一カ月かけて丹念に描く、妥協を許さない「観察」への姿勢

『いちご』(作 荒井真紀 小学館 2020年)より 表面
『いちご』(作 荒井真紀 小学館 2020年)
キウイフルーツ
『まどのむこうの くだもの なあに?』(さく 荒井真紀 福音館書店 2020年)
*初出 「こどものとも年中向き」 2019年7月号
ピーマン
「こどものとも年中向き」 『まどのむこうの やさいは なあに?』(さく 荒井真紀 福音館書店 2022年7月号)

※画像の無断転載を禁じます

02 収蔵品“花と果物”の「かんさつのじかん」

…日本画、油彩画、版画、イラストレーション

 第2部は、当館の収蔵作品を通して向き合う「かんさつのじかん」。当館の収蔵品の中には、“花”や、“植物”をモチーフに描かれた作品も多く、ジャンルも多岐に渡っています。画材や技法が異なるなかで、さまざまな作家によって描かれたモチーフは、込められた意図や理由も異なります。または、意味そのものがない場合もあります。しかし、画面を通して、作品と向き合えば、見る側それぞれに、きっと発見があるでしょう。なお本展では、修復を終えたばかりの日本画家・小畠鼎子<1898‐1964>の作品《盛夏》(1953年、紙本着彩、二曲屏風)《梨栽培》(1960年、紙本着彩、二曲屏風)を初披露する予定です。


<展示予定作家>

日本画…永田春水(ながた しゅんすい)、小畠鼎子(こばたけ ていこ)/ 油彩画…小畠辰之助(こばたけ たつのすけ)、山喜多二郎太(やまきた じろうた)

版画…萩原英雄(はぎわら ひでお)、浜口陽三(はまぐち ようぞう)/ イラストレーション…永沢まこと(ながさわ まこと)


盛夏の屏風
小畠鼎子 《盛夏》 1953年 紙本着彩
朝顔の屏風
永田春水 《朝顔》 制作年不詳 紙本着彩
山喜多二郎太の墨彩
山喜多二郎太 《卓上の静物》 制作年不詳 墨彩、紙
ひまわりを描いた木版画
萩原英雄 《ひまわり》 1954年 木版、紙
ひまわり畑
永沢まこと《ひまわり畑》 1992年 リトグラフ、紙

※画像の無断転載を禁じます

本展に際して「絵本ナビ」が荒井真紀さんのグッズを制作!ミュージアムショップで販売します!

本展開催に際して、荒井真紀さんの絵本原画をデザインした、トートバッグ、ハンカチ、クリアファイル、ポーチの制作が決定、ミュージアムショップで販売します!

朝顔のハンカチ
ハンカチ
※画像はイメージです
トマトのハンカチ
ハンカチ
※画像はイメージです
いちごのハンカチ
ハンカチ
※画像はイメージです

【荒井 真紀 (あらい まき)】

荒井さんのプロフィール写真

画家/イラストレーター

1965年東京生まれ。駒澤大学仏教学部禅学科卒業。1981年16歳の時より、熊田千佳慕氏に師事する。1984年第1回国立科学博物館主催ボタニカルアート展佳作に入選(同展第2回~第4回3年連続入選)。『たんぽぽ』(金の星社)が、2017年度ブラチスラバ世界絵本原画展にて、「金のりんご賞」を受賞。代表作に『ひまわり』(金の星社 2013年)、『チューリップ』(小学館 2017年)、『トマト』(小学館 2023年)、『こどものとも年中向き まどのむこうの やさいは なあに?』(2022年7月号 いずれも福音館書店)など多数。

【鈴木 純 (すずき じゅん)】

純のプロフィール写真

植物観察家/植物生態写真家

1986年東京生まれ。東京農業大学で造園学を学んだのち、青年海外協力隊に参加。中国で2年間砂漠緑化活動に従事する。2018年にまち専門の植物ガイドとして独立。本業は、都市環境をフィールドにした植物観察会の開催。「東京農業大学 緑のフォーラム2021」にて造園大賞を受賞。『ダーウィンが来た!(NHK)』の取材協力や番組出演など。初の絵本『シロツメクサはともだち』(ブロンズ新社 2024年)を刊行。


展覧会関連イベント(1) トークショー 「絵本作家・荒井真紀が描く“花と果物”」

7月29日(月) 10:00より、お電話(0422-22-0385)のみで受付開始→定員に達したため、受付は終了致しました。

日時

場所

8月18日[日] 14時00分~16時00分

美術館音楽室

出演
荒井真紀(絵本作家)・鈴木純(植物観察家)・関根里江(編集者/福音館書店)
定員

70名(申込先着順)

申し込み方法

7月29日(月)10:00より、お電話(0422⁻22⁻0385)のみで受付開始。ただし、1回のお電話につき2名まで受付可。

参加費
無料 ※ただし、美術館チケットが必要

展覧会関連イベント(2) 子ども向け観察ツアー「純さんと井の頭恩賜公園で植物をかんさつしよう!」

8月16日(金)までにメール(museum-ws@musashino.or.jp)でお申し込みを!

日時

場所

8月31日[土] 9時00分~10時30分

井の頭恩賜公園

対象

小学生以下 ※必ず保護者同伴、ただし観察ツアーの参加は本人のみ

定員
10名 ※申込多数の場合は抽選とします。※結果は、8月23日(金)までに、全員に返信致します
申し込み方法

8月16日(金)までに、

「1)参加者氏名 (2)年齢 (3)電話番号」を明記の上、

観察ツアー希望と書いて

メール(museum-ws@musashino.or.jp)のみで受付。

講師

鈴木 純(植物観察家)

参加費
300円