土門拳写真展 日本のこころ

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ページ番号1002386  更新日 2022年3月28日

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会期
2007年12月16日(日曜)~2008年2月11日(月曜・祝日) 会期中一部展示替えあり
休館日
12月26日(水曜)、12月29日(土曜)~1月3日(木曜)、1月30日(水曜)
入館料
100円(ただし、小学生以下・65歳以上・障がい者は無料)
主催
武蔵野市立吉祥寺美術館
協力
財団法人土門拳記念館
後援
山形県酒田市
監修
藤森武(写真家・土門拳記念館理事)
関連イベント
  1. 1月14日(月曜・祝日) 講演会「弟子が語る土門拳」
  2. 1月27日(日曜) 講演会「プレ/ポスト土門拳~写真史の中の土門拳~」

ポスター:土門拳写真展 日本のこころ


山形県酒田市(旧・飽海郡酒田町)に生まれた土門拳(1909-90)は、画家になることを夢見ながら、少年期を東京・谷中と横浜で過ごしました。長じて社会運動に参加しながら苦悩の日々を送る中、昭和8(1933)年、母の勧めで上野の宮内幸太郎写真場に入りますが、やがて目指す写真の方向性の違いに気づき、社会性の強い写真を発信しつづける名取洋之助の興した日本工房へ移り、報道写真家として手腕を発揮しました。
昭和14(1939)年、美術史家・水澤澄夫の案内で室生寺を訪れたことを機に、奈良や京都の寺院、仏像を繰り返し訪れるようになり、土門拳の代名詞ともいえる「古寺巡礼」シリーズを撮り始めます。また、文楽、陶芸、織物、華道といった日本の伝統、「風貌」シリーズに代表されるような著名人の肖像や、下町の子供たちの生き生きとした表情、女優と文化財をテーマに撮影した『婦人公論』の表紙など、多岐にわたる作品を残しました。
また、昭和35(1960)年には、福岡・筑豊の炭鉱に生きる人々の貧窮する状況を伝えようと、ザラ紙に印刷した写真集『筑豊のこどもたち』を100円で販売、10万部を売り上げるなど、既成の概念にとらわれることのない活動には、鋭いリアリズムの眼が光るとともに日本人を愛する思いが根底にありました。晩年、数度の脳出血に倒れながら、なおも写真を撮り続けようとした気迫と執念の写真家・土門拳の名は日本写真史の中で今も異彩を放っています。
本展は、武蔵野市の友好都市でもある山形県酒田市に昭和58(1983)年に創設された土門拳記念館のご協力を得て開催するもので、同館の約7万点の所蔵品の中から約120点を選び、「風貌」「古寺巡礼」「筑豊のこどもたち」「こどもたち傑作選」「勅使河原蒼風との共作」「女優と文化財」「傑作選(一)」「傑作選(二)」などのテーマに分け、土門拳のエネルギーあふれる写真の数々を紹介します。

作品:こさめ 熱海
《こさめ 熱海》1955年
土門拳記念館蔵
作品:近藤勇と鞍馬天狗
《近藤勇と鞍馬天狗》1955年
土門拳記念館蔵
作品:伊豆 帆かけ舟
《伊豆 帆かけ舟》1936年
土門拳記念館蔵