年画で迎えるお正月 ベトナム☆民間版画展

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ページ番号1002379  更新日 2022年3月28日

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会期
2008年12月7日(日曜)~2009年1月18日(日曜)
休館日
12月28日(日曜)~1月4日(日曜)
入館料
100円(ただし、小学生以下・65歳以上・障がい者は無料)
主催
武蔵野市立吉祥寺美術館
監修
田所政江(女子美術大学講師)
関連イベント

1月10日(土曜) 講演会「ベトナム民間版画の魅力」

ポスター:年画で迎えるお正月 ベトナム☆民間版画展


紀元前にはじまる長い歴史の中で、中国との攻防を繰り返してきたベトナムは、中国の政治、社会制度などをうまく取り入れながら、文化面においても様々な影響を受けてきました。厄除け、家内安全、招福の目的で春節(旧正月)に家庭で飾られる民間伝承の木版画「年画(ねんが)」もまた、中国からベトナムに伝えられたもので、17~18世紀頃に隆盛期を迎えたといわれています。

その昔、仏教伝播の地として栄えたハノイ近郊のドンホー村では、収穫後の農閑期になると、多くの農民が正月(テト)用の飾り絵として版画制作を行ってきました。それが農村派の年画「ドンホー版画」で、歴史故事や民話などを題材としたものが多くあります。また、かつてハノイ市内のハンチョン通りで制作された、いわば都市派の年画を「ハンチョン版画」といい、祭祀図や装飾的な花鳥画が多く、主に富裕層からの注文により、墨版に手彩色を施して制作されました。これらベトナムの年画の特徴は、中国文化から影響を受けたものやベトナム独自の題材からとられたユニークな図柄、豊かな色彩表現に加え、手漉きの紙や天然顔料を用いた素朴さにあります。

著しい経済成長とともに、中国をはじめアジアの美術が注目される近年、民間伝承である年画は、それら近現代美術とは一線を画すものの、朝鮮の民画や日本の浮世絵との関連性も指摘されるなど、今後、様々な検証がなされる可能性を秘めています。

本展では、約120点のドンホー版画とハンチョン版画を選りすぐりご紹介し、年画に込められたベトナムの人々の思いや、魅力に迫り、お正月の雰囲気を楽しんでいただきます。

作品:丁先皇
《丁先皇》ドンホー版画
個人蔵
作品:鼠の嫁入り
《鼠の嫁入り》ドンホー版画
個人蔵
作品:牛郎と織女
《牛郎と織女》 ハンチョン版画
個人蔵