吉祥寺に生きた文化功労者 上條信山 書の世界展

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ページ番号1002356  更新日 2022年3月28日

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会期
2011年5月21日(土曜)~6月13日(月曜)
休館日
5月25日(水曜)
入館料
100円(ただし、小学生以下・65歳以上・障がい者は無料)
主催
武蔵野市立吉祥寺美術館、書象会
後援
読売新聞社・(社)全日本書道連盟
関連イベント
6月4日(土曜) 信山の書 講演と鑑賞会

ポスター:吉祥寺に生きた文化功労者 上條信山 書の世界展


上條信山(1907-1997)は、長野県松本市出身の書家・教育者です。長野の師範学校卒業後は成蹊学園小学部、中等部で教鞭をとり、その縁で清の書家張廉卿に学んだ宮島詠士と出会い、多大な影響を受けました。後に大東文化大学で漢学を学び、「知性に満ちた雄勁の筆をもって、清純にして都会的な書風を確立した」と評される「信山バリ」と呼ばれる独自の書風を確立していきます。1951年の第7回、1953年の第9回日展において特選を獲得して評価を得、第1回改組日展からは審査員となりました。1969年には日展内閣総理大臣賞受賞。1978年に《汲古》で日本芸術院賞受賞、1981年に勲三等瑞宝章受章。また、1996年には松本市名誉市民、文化功労者となり、書家として受賞を重ねていきました。

一方、教育者としてのこした功績にも大きなものがありました。必修教科であった書道が、戦後は自由研究という位置づけをされ、危機的状況におかれますが、1949年に教育課程審議会の委員に任命された信山は、文部省へ書道の必須科目復活を強く訴えます。このように、生涯を通じて書道教育振興活動に尽力しました。

信山は1962年に第1回書象展開催を契機に「書象会」を創設し、多くの書家を生み出してきました。本年はその記念すべき50回展にもあたります。本展は、上條信山の書への精神を引き継いだ書象会の門人たちによって、ゆかりある武蔵野市で開催するもので、「信山バリ」が受け継がれている所以を知る契機となれば幸いです。

作品:清風不断来
《清風不断来》1981年
作品:心手相忘
《心手相忘》1981年
作品:天下帰心
《天下帰心》1970年