石川梵写真展 THE DAYS AFTER 東日本大震災の記憶

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ページ番号1002346  更新日 2022年3月28日

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会期
2012年4月1日(日曜)-5月13日(日曜)
休館日
4月25日(水曜)

ポスター:石川梵写真展 THE DAYS AFTER 東日本大震災の記憶


被災地で体験する出来事は、どれも悪夢を見ているかのようだった。(中略)悲惨な光景はアフガニスタンやスーダンなどさまざまな現場で目撃したが、それが自分の祖国で起こることが信じられなかった。いや、正しくいえば、このとき、自分の中で世界と自分を隔てる国境が取り払われたといった方が正しいかもしれない。世界の戦場、震災地ですら体験したことのない出来事が日本では起こっていた。(『THE DAYS AFTER 東日本大震災の記憶』より)

2011年3月11日、世界を震撼させる大地震と大津波が東日本を襲ったその翌日、町田市在住のフォトジャーナリスト・石川梵は、セスナ機で被災地へ向けて飛びました。空撮を終えて飛行場に降り立つと、すぐさま陸路、北へと向かいます。「私はニュース写真をほとんど撮らない。時間をかけたドキュメントが自分の持ち味だ。」という石川自身の言葉通り、その旅は2ヶ月にも及びました。

石川が写したこの光景は、見る者に迫り、まるで自分がその場に立ち尽くしているかのような感覚にさえ襲われます。本展覧会では、震災直後の岩手・宮城・福島に取材した写真集『THE DAYS AFTER 東日本大震災の記憶』(飛鳥新社)収録の写真を中心に紹介する他、取材に同行した石川の愛犬・十兵衛と被災地とのふれあいの一コマもご紹介します。また今なお石川は被災地へと足を運びシャッターを切り続け、その変わり行く様を記録しています。本展開催直前までに撮影された、被災地の“1年後”の姿もお伝えできることでしょう。震災から1年を経た今、この写真たちと向き合うことで、未曾有の出来事が過去形でも他人事でもないことを改めて意識するきっかけになることを願います。

■講演会「震災から1年-子ども達からのメッセージ-」 4月14日(土曜)午後2時~3時30分 詳細はイベントページをご覧ください。

写真:福島県南相馬市
福島県南相馬市
写真:岩手県陸前高田市の一本松
岩手県陸前高田市
写真:宮城県気仙沼市本吉町
宮城県気仙沼市

写真©Ishikawa Bon

石川梵(写真家・ノンフィクション作家)

1960年生まれ、東京都町田市在住。フランスAFP社を経て、フリーランス。地球の歴史を空から撮る「地球46億年」と、祈りを切り口に人間存在の原像に迫る「人間の王国」の二つをライフワークに撮影を続け、この30年で訪れた国は60を超える。人間と鯨の壮絶な闘いを捉えた写真集「海人」(新潮社)で写真協会新人賞、講談社出版文化賞写真賞などを受賞。その他には、写真集『伊勢神宮、遷宮とその秘儀』(朝日新聞出版)、フォトエッセイ集『時の海、人の大地』(魁星出版)、ノンフィクション作品として『鯨人(くじらびと)』(集英社新書)などがある。東日本大震災では、発生直後から取材・救援活動に入り、その内容は『THE DAYS AFTER 東日本大震災の記憶』(飛鳥新社)、フォトエッセイ『フリスビー犬、被災地をゆく』(飛鳥新社)に収録されている。