生誕100年 萩原英雄展 ―天から与えられた僕の仕事―

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ページ番号1002343  更新日 2022年3月28日

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会期
2014年1月11日(土曜)-2月23日(日曜)
会期中の休館日
1月29日(水曜)、2月19日(水曜)

山梨県に生まれた萩原英雄(1913‐2007)は東京美術学校で油彩画を学び、油彩画家として出発しました。しかし1953年に体調を崩して療養生活を送る中で、初めて木版画で年賀状を手がけたことをきっかけに木版画制作に没頭し、ついには内外の主要国際版画展で受賞を重ねて世界的に高く評価され、戦後日本の版画界を代表する作家のひとりとして知られるようになりました。しかし、その表現方法は木版画にとどまらず、油彩、コラージュ、墨彩、ガラス絵など多岐にわたっています。各技法の研究を重ね、知り尽くした結果、求める表現に最も適した方法で制作された作品の数々からは、既存の枠に囚われることのない芸術家・萩原英雄の姿が浮かび上がります。「儲けにも何にもならない。それでも、天から与えられた、自分がそのために生まれてきた仕事」のような純粋な美を自分自身の体の中に吸収し、美を作り出すという行為を日常的に継続し、2007年に94歳で没するまで精力的に制作を続けました。

武蔵野市には現在、木版画を中心に約595点にのぼる萩原英雄作品が収蔵されており、常設の記念室で随時ご紹介しています。生誕100年を機に開催される本展は、ご遺族ならびに関係各位のご協力のもと、木版画にとどまらず多角的に萩原英雄作品を紹介し、その幅広い画業を辿るものです。豊かな色彩表現、ユーモラスなかたち、自在に操られた線など、幅広い萩原芸術の魅力をあらためてご覧いただけることでしょう。

作品:大富士 雪化粧富士
「大富士 雪化粧富士」 1991年 木版、紙
作品:大富士 日輪富士
「大富士 日輪富士」 1985年 木版、紙
作品:三十六富士 ビルの谷間に
「三十六富士 ビルの谷間に」 1981-86年 木版、紙
作品:キリストの涙(1)
「キリストの涙(1)」 1954年 木版、紙
作品:パンジー
「パンジー」 1960年 木版、紙
作品:ピエロ
「ピエロ」 1973年 油彩、キャンバス
作品:ナルキッソス
「ナルキッソス」 1965年 木版、紙