10月14日より投稿開始!「武蔵野アール・ブリュット2020」応募作品約120点をFacebookでご紹介します

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ページ番号1002278  更新日 2022年3月28日

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今夏開催を中止した
「武蔵野アール・ブリュット2020 ヒトが表現するということ、再び」
「武蔵野アール・ブリュット実行委員会」のFacebookで1日1点、作品を公開

チラシ:武蔵野アール・ブリュット2020

「武蔵野アール・ブリュット2020」は、武蔵野市にゆかりのある方を対象に広く作品を公募、厳正なる審査を経て、7月には約120点におよぶ作品の展示を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症への不安を払拭することが出来ず、来館者の皆さまの安全を最優先と捉え、誠に残念ではございますが、開催を中止とさせて頂きました。
武蔵野アール・ブリュット2020実行委員会では、ご応募頂いた作品のご紹介に向けて、協議を重ねて参りましたが、このたび、ご応募頂いた皆さまのご了承を得て、同実行委員会のFacebookにて作品公開をさせて頂くことを決定致しました。
本日10月14日(水曜)より、1日1点ずつ作品をご紹介致します。

「武蔵野アール・ブリュット実行委員会」のFacebookは次のリンクから

作品公開に際して、審査総評をご紹介します

表紙:アール・ブリュット募集要項

「武蔵野アール・ブリュット2020」の審査には、西村陽平氏、内田あぐり氏、坂口寛敏氏が審査委員として加わってくださいました。今回、Facebookでの作品公開にあわせまして、審査の総評を頂戴致しましたのでご紹介致します。3名の審査委員の方々それぞれが、「武蔵野アール・ブリュット2020」、そしてご応募頂いた作品に対して、想いを込めて書いてくださいました。

ご応募頂いた皆さま、そして「武蔵野アール・ブリュット2020」の開催を楽しみにしてくださっていた皆さまへ、審査委員の方々からの総評(=メッセージ)をお届け致します。

審査委員 西村陽平氏

写真:西村陽平氏


1987年、ギャラリーTOMが「手で見る美術鑑賞 アメリカの旅」を企画し、盲学校の高校生を招待してアメリカの美術館を巡りました。もう33年前のことです。日本では、2018年「障害者文化芸術推進法」が成立し、具体的に大きく動き始めたところです。「武蔵野アール・ブリュット2020」も、このような流れで生まれてきたものと思います。全国的にこのような企画が多く行われるようになりましたが、「武蔵野アール・ブリュット2020」は、自由で開かれている印象を受けました。「文化芸術基本法」に示されている「年齢、障害の有無、経済的な状況又は居住する地域にかかわらず、文化芸術の機会を享受することができる環境」は大切です。

西村陽平

◆西村陽平(にしむら ようへい)

1947年京都市生まれ。東京教育大学教育学部芸術学科卒。1975年から23年間、千葉盲学校で図工を担当。2001年から15年間日本女子大学で学生や附属幼稚園、附属小学校の子どもたちと、造形活動に携わってきた。著書「みたこともないものつくろう」偕成社、「手で見るかたち」白水社など。美術教育と共に自らも制作活動を行い、1977年に「第4回日本陶芸展」において外務大臣賞を受賞。作品は、陶芸や現代美術の分野で高い評価を受け、パリ装飾美術館やビクトリア&アルバート美術館(ロンドン)など内外の美術館に収蔵されている。日本女子大学名誉教授、美術家。

審査委員 内田あぐり氏

写真:内田あぐり氏


2020年の春に「武蔵野アール・ブリュット2020」の事務局である吉祥寺美術館から多くの作品のデータが送られてきました。本来なら、実際の作品を拝見しながらの審査だったのですが、新型コロナウイルスにより、残念ながらそれも中止となってしまいました。送られてきた作品の画像を拝見しながら、みなさんとても素敵な作品を作られているので、一次審査の段階で選外とするのがとても迷いました。特に画像のみの審査でしたので、どのような素材を使っているのかなど、リアルに作品を見ることができなくて難しかったです。そうした中で作品が個性に満ちて、独自の世界観を持っているのか、ということを審査基準としたように思います。

どこかですでにみたことのあるような絵、既視感に近いものでしょうか、それを感じられる作品については選外といたしました。

この度は、アール・ブリュット展覧会をウェブ上で開催できるとのこと、本当によかったです!!拝見することをとても楽しみにしています。

そして、一日も早く新型コロナウイルスが終息をしてくれて、また展覧会場で皆さんと楽しくお会いできる日が来るようにと、心から祈るばかりです。

内田あぐり

◆内田あぐり(うちだ あぐり)

1949年東京都生まれ。1975年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻修了。1975年創画会賞(87年、91年)、現代日本画家を代表する一人となる。1993年文化庁在外研修員として渡仏、同年山種美術館賞展で大賞受賞。2002年第1回東山魁夷記念日経日本画大賞受賞、2003年武蔵野美術大学在外研修員として渡米。2019年第68回神奈川文化賞受賞。今日まで一貫して「身体」をテーマに、絵画において人間の存在を示すものとは何かという根源的な問題に向き合う一方、古典的な技法にとらわれず様々な表現方法を先鋭的に用い、現代絵画として新たな日本画の可能性を切り拓き続けている。現在 武蔵野美術大学日本画学科教授。

審査委員 坂口寛敏氏

写真:坂口寛敏氏


今年は新コロナの感染が広がり社会不安が増す中、日頃の力作が多く集まり、作品との出会いの喜びと驚きを得ることが出来ました。審査にあたって私が留意した事は、絵画、彫刻だけではなく、多様化された境界の無い複合的な表現も大事にしていこうと考えていました。作者の内部深いところで湧き出す興味がさまざまに積み重なり、文字や数字によって表現されたもの、何らかのメモや記録の様なものから展開した表現、手触りの喜びが現れた表現など、作者ならではの独自性の強い表現として生み出されていました。残念な事に吉祥寺美術館で実際に展示することは叶いませんでしたが、ウェブを介してこれらの作品の魅力を共有したいと思います。

坂口寛敏

【坂口寛敏(さかぐち ひろとし)】

1949年福岡市生まれ。1973年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業後、同大学院を修了。'76~'84まで西ドイツ、ミュンヘンに滞在。ミュンヘン美術アカデミー絵画科卒業。ドローイング、絵画、インスタレーションの創作活動や地域と関わる幅広いアート活動を行い、国内外で多数の展覧会を開催。東京藝術大学の絵画油画科に25年勤め,その間教育研究評議会評議員などを歴任。現在、東京藝術大学名誉教授、公益財団法人武蔵野文化事業団理事、「全日本高校デザイン・イラスト展」審査委員長、世田谷児童絵画コンクール「ぼくの町 私の好きな場所」審査委員長、「Liquitex THE CHALLENGE」審査員。

アール・ブリュットとは、「生(き)の芸術」と表され、既成の表現法にとらわれずに独自の方法と発想で制作された美術作品のことです。
武蔵野アール・ブリュットは、市民協働によって作り上げるアート展です。
武蔵野市にゆかりのある人たちが出展・参加し、アートを通した多様性を大切にする地域づくりを進める取り組みです。