武蔵野市平和の日条例制定10周年記念事業 大石芳野写真展 瞳の奥に-戦争がある-

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1002270  更新日 2022年3月28日

印刷大きな文字で印刷

会期
2021年10月16日(土曜)-11月28日(日曜)
開館時間
10時~19時30分
休館日
10月27日(水曜)・11月25日(木曜)
入館料

300円(中高生100円、小学生以下・65歳以上・障がい者の方は無料)

※11月23日(火曜・祝日)および、11月24日(水曜)<武蔵野市平和の日>は、武蔵野市在住の方は、無料でご覧頂けます。ご住所を確認出来る証明書(運転免許証、保険証など)をご持参ください。

主催
公益財団法人武蔵野文化事業団、武蔵野市、武蔵野市非核都市宣言平和事業実行委員会
協力
クレヴィス、フレームマン、フォトグラファーズ・ラボラトリー
写真:壊れた窓からのぞく少女
壊れた窓からのぞく少女 (コソボ、1999年)
写真:カリマ
カリマ (アフガニスタン、2002年)

ⓒ Yoshino Oishi

写真家・大石芳野は約40年余りにわたり、戦争の犠牲になった人々を取材し、悲惨な傷跡に苦しむ声に向き合い、レンズを向けることで、平和の尊さを問い続け、子どもたちの悲しみやつらさ、悔しい思いを全身で受け止め、その未来をもカメラに収めて来ました。本展では、戦禍に苦しむ世界の子どもたち、そして、武蔵野市内をはじめ、少年少女時代に第二次世界大戦の犠牲となり、苦しみを抱えつつも戦後を生き抜いてきた国内の人々の姿を取り上げます。

大石は、被写体の内面を写し出したいときにモノクロームを選択することが多いといいます。枯葉剤、不発弾、虐殺、破壊、民族浄化、紛争…。ベトナム、ラオス、カンボジア、アフガニスタン、コソボ、スーダンと、子どもたちの真剣で鋭い瞳が伝える、「戦争はもう嫌だ」というメッセージが、作品を通して多くの人に届くように。東京、沖縄、広島、長崎…。彼らの少年少女時代に、第二次世界大戦がありました。人々が心身に受けた深い傷は、今もなお癒えることはなく、子どもの頃のまま、その瞳には「戦争をもう繰り返してはならない」という魂の叫びが宿っています。

「みんな昔は子どもだった」と大石はいいます。本展に際して、大石は子どもの頃に戦争を体験した、武蔵野市内に住む7人を新たに取材。大石のレンズ越しに私たちに届く、7人の先達の瞳から、「平和であることの尊さ」が伝わるようにと切に願います。

*武蔵野市平和の日条例制定10周年記念事業
昭和19年、「中島飛行機武蔵製作所」を標的に市内に初めて空襲のあった「11月24日」は、平成23年に「武蔵野市平和の日」と定めらました。市は平和都市として未来の子どもたちに平和な世界を継承していくために、戦争の悲惨さと、平和の大切さを発信し続けていくことが必要であると考え、さまざまな平和事業を行っています。本展はそのひとつとして位置づけられており、公益財団法人武蔵野文化事業団、武蔵野市、武蔵野市非核都市宣言平和事業実行委員会の共催として、吉祥寺美術館にて開催されるものです。

Ⅰ. 戦禍に苦しむ世界の子どもたち…瞳に映るメッセージ

ベトナム/ラオス/カンボジア/アフガニスタン/コソボ/スーダン

枯葉剤、不発弾、虐殺、破壊、民族浄化、紛争…。第Ⅰ部では、ベトナム、ラオス、カンボジア、アフガニスタン、コソボ、スーダンと、それぞれの地域で、戦禍に苦しむ子どもたちを撮影した写真を展示します。

写真:爆撃の跡
爆撃の跡 (ベトナム、1984年)
写真:給水を受けて微笑むカンボジアの少女
給水を受けて微笑むカンボジアの少女 (タイ、1980年)
写真:スーユータン
スーユータン (ラオス、2004年)
写真:ギゼル
ギゼル (コソボ、1999年)
写真:ジャン
ジャン (アフガニスタン、2003年)
写真:希望
希望 (アフガニスタン、2002年)
写真:難民キャンプの少女たち
難民キャンプの少女たち (南スーダン、2007年)

Ⅱ. 戦禍のなかの少年少女時代…いまなお続く戦争体験者の苦悩

東京/沖縄/広島/長崎

戦争に巻き込まれたことによって、少年少女時代に負った心身の深い傷は、老年を迎えたいまなお癒えることはなありません。第Ⅱ部では、東京大空襲、沖縄戦、ヒロシマ、ナガサキの原爆投下…第二次世界大戦の犠牲者、被爆者のもとを訪れ撮影した写真を展示します。

写真:原爆ドーム
原爆ドーム (広島、1984年)
写真:角谷キノ
角谷キノ (東京、1995年)
写真:柳川雅子
柳川雅子 (長崎、2019年)
写真:国吉真亀
国吉真亀 (沖縄、1982年)
写真:アオギリ
アオギリ (東京、1997年)
写真:河内政子
河内政子 (広島、2010年)
写真:松尾榮千子
松尾榮千子 (長崎、2016年)

Ⅲ. あの頃みんな子どもだった…武蔵野市の7人の瞳

東京/沖縄/広島/長崎

現在、武蔵野市役所が位置する一帯は、零式戦闘機や、一式戦闘機など、軍用航空機のエンジンを生産していた「中島飛行機武蔵製作所」の工場跡地や敷地内にあたります。1944年11月24日、アメリカ軍がマリアナ諸島からの日本本土空襲に際し、最初の標的としたのが、航空機エンジンの工場として、東洋一といわれた同製作所でした。その後、この工場は9回におよぶ空襲を受け、周辺の地域でも数百名の市民が犠牲となりました。

今回、大石は、武蔵野市内に住む戦争体験者7人を取材。なかには当時、「中島飛行機武蔵製作所」近隣に住んでいた、「武蔵野市非核都市宣言平和事業実行委員会」の委員でもある、中里崇亮さんや、島津好江さんほか、広島や長崎で被爆者となった方も含まれます。

彼らの少年少女時代に第二次世界大戦がありました。武蔵野に空襲がありました。それを若い世代に伝えなければと、彼らは、辛い経験や死に直面した悲惨な出来事を決意を持って語り続けています。「みんな昔は子どもだった」と大石はいいます。子どもの頃に戦争を経験した、武蔵野市内に住む、7人の先達の瞳から、「平和であることの尊さ」が伝わることを願います。

大石芳野(おおいし よしの)

写真:大石芳野


写真家。戦禍や内乱など困難な状況にありながらも逞しく誇りをもって生きる人びと、そして、土着の文化や風土を大切にしながら生きる人びとが主なテーマ。著作に『沖縄に活きる』『夜と霧は今』『HIROSHIMA半世紀の肖像-やすらぎを求める日々』『カンボジア苦界転生』『ベトナム凜と』『子ども戦世のなかで』『福島FUKUSHIMA 土と生きる』『戦争は終わっても終わらない』『戦禍の記憶』『長崎の痕』ほか。土門拳賞、エイボン女性大賞、紫綬褒章、JCJ賞などを受賞。

展覧会関連イベント

吉祥寺美術館×吉祥寺シアター 大石芳野によるスライドトークショー&創作能「長崎の聖母」

→チケットは完売致しました。当日券、およびキャンセル待ちなども承りません。なにとぞご了承くださいますようお願いいたします。

作品:被爆マリア像
被爆マリア像 (長崎、1998年)
日時
2021年10月30日(土曜) 18時30分~20時00分
内容
  • *第1部:大石芳野による展覧会出品作品のスライドレクチャー
  • *第2部:青木健一による「長崎の聖母」のレクチャーおよび上演
会場
吉祥寺シアター
出演

大石芳野/青木健一(観世流シテ方能楽師)/

料金
300円
定員
80人(全席指定)
チケット予約

10月2日(土曜) 10時00分受付開始

  • 公益財団法人武蔵野文化事業団チケット予約 電話0422-54-2011(9時00分-20時00分)
  • インターネット予約 https://yyk1.ka-ruku.com/musashino-s/
問い合わせ
講演内容・展覧会について(吉祥寺美術館:0422-22-0385)

チケットについて(吉祥寺シアター:0422-22-0911)

*「長崎の聖母」…「被爆マリア像」をイメージして作られた、観世流の創作能。テーマは、平和への祈り。2005年に浦上天主堂で初演以来、ニューヨークやボストンなどでも上演。※今回は見所を厳選したハイライト上演となります。

青木健一(あおき けんいち)

写真:青木健一


公益財団法人梅若研能会 所属。シテ方観世流準職分。公益社団法人能楽協会 会員。東京藝術大学 邦楽科 助手。明治時代より能を伝承する青木家の四代目として昭和57年に生まれる。4歳にて初舞台を踏み、数多くの舞台に出演。平成17年東京藝術大学音楽学部邦楽科能楽専攻を卒業後、3世梅若万三郎師に入門。平成23年観世流準職分に認定。平成24年梅若万三郎家を独立、同年能楽協会に入会。日々多くの舞台活動を行うかたわら、生まれ育った吉祥寺を中心に能の普及と発展のために一般向けのお稽古や講習会を数多く手がける。

むさしのティーンズday

2021年11月3日(水曜・祝日)

★中学生・高校生は、本展を無料でご鑑賞頂けます。美術館カウンターにて、学生証または、年齢を証明できるものをご提示ください。

■新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、マスクの着用、入館時の検温および連絡先の記入、対人距離の確保などにご協力をお願いいたします。なお、混雑時には入場制限をおこなう場合があります。