大西 隆 (ミュージックショップ「グッディーズ」経営)

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ページ番号1003311  更新日 2022年4月25日

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写真:大西 隆

クラシックコンサートのロビーでCDを販売。
「”武蔵野スタイル”に溶け込みながら20年」


 武蔵野市民文化会館で初めてお仕事をさせていただいたのは2002年にさかのぼります。当時すでに武蔵野システムとも言われた独自の方式で、年間100数十回の主催公演が全て完売になるという状態になっていました。特に一般的な知名度は高くなくとも力のある海外のアーティストの演奏会を安い価格で次々と行うスタイルは、他のホールでは真似のできないものでした。

 通常外来演奏家の招聘は音楽事務所が行うものですが、武蔵野の場合ホールに招聘資格のあるスタッフがいて、これというアーティストには直接働きかけを行って、独自に招聘・来日を実現させた演奏家も多かったようです。成田にホールスタッフがアーティストを迎えに行き武蔵野近郊のホテルに宿泊してもらい、演奏会終了後はまた成田まで送って行き帰国させるという経費を極力抑えた運営で、武蔵野ならではの海外演奏家の1,000円コンサートが行なわれていました。常に新しい海外の演奏家にアンテナを張って、大手のマネージメントやCDメーカーと大きな契約をする前に来日を実現させるというのも武蔵野の得意技でした。武蔵野の友の会の会員さんからも「武蔵野が呼ぶなら名前を聞いたこともないけどとりあえず聴いてみようとやって来ました」という声をよく会場で耳にしましたが、そういうお客様とホールの信頼関係というのは素晴らしいものだと感じていました。

 私の店は個人店ですがクラシックの輸入盤を昔から取り扱っていたため、武蔵野の招聘する国内盤が発売されていない、輸入盤でしか聴く事のできない演奏家の品揃えが行えたのと、演奏家が手持ちしたCDの販売なども柔軟に対応できた事などもあり、武蔵野独特のスタイルに溶け込ませていただきながらいつの間にか20年近いお付き合いとなりました。

 これからも本物の良い音楽に手軽に出会えるという武蔵野市民文化会館を、微力ながらお手伝いさせていただきたいと思います。

 

大西 隆(おおにし・たかし)
1983年~1993年は杉並区下井草にて、1995年~現在は東村山市にてミュージックショップ「グッディーズ」を経営。現在は、クラシック演奏会場でのCD販売、クラシック輸入盤等のCD販売、グッディーズ・オリジナル復刻のダイレクト・トランスファーCD-Rの企画・復刻・製造・販売を行っている。