紙上に広がる宇宙

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ページ番号1003585  更新日 2022年5月17日

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会期
2022年6月16日(木曜)~11月13日(日曜)
会期中休館日

2022年6月29日(水曜)、7月27日(水曜)~8月5日(金曜)、8月31日(水曜)、9月20日(火曜)~30日(金曜)、10月26日(水曜)

 東京美術学校油画科を卒業後、高見沢木版社に入社し、浮世絵をはじめ木版画について多くを学び、戦後は油彩画を中心に制作活動に励んでいた萩原英雄は、40歳のころ、結核を患い、療養生活を余儀なくされます。その生活の中、木版画で年賀状を制作したことをきっかけに版画の道へと進み、そして、写実から抽象へと転換しました。その際、もともと油彩画を制作していた萩原の根底には、油彩画の表現という観念が常にありました。版画は、油彩画に比べて空間の深さが出にくいと考え、なんとかして木版の技術で油彩画のような深い空間を版画で表現することを目指します。初めのころは木版社で学んだ技法を基に制作していましたが、次第に木版の中に存在する制約に物足りなさを感じるようになります。しかし、それを逆手に、版木にベニヤなどを貼り付ける製版法や、凸版が一般的だった木版の凹版化、本紙の裏から色を滲み出させる両面擦りなど、独自の技法を次々と生み出し木版画表現の拡がりをみせた萩原は、内外の国際版画展で数々の受賞を重ね、戦後日本の版画界を代表する作家のひとりとして活躍しました。

 本展では、幾重にも色面を重ねた画面に、〇や×などの様々な幾何学的なモチーフを散りばめた抽象作品の中から、《星月夜》シリーズと《星雲》シリーズを中心に、星や宇宙を主題に制作された作品の数々を紹介します。自由自在に画面中を駆け巡る色彩あふれる宇宙の作品を通して、萩原が追求した紙の上に無限に広がる空間を感じていただければ幸いです。


作品:星月夜 No.05
萩原英雄《星月夜No.05》1980年

萩原英雄略歴

1913(大正2)年
山梨県甲府市に生まれる
1932(昭和7)年 19歳
白日会第9回展に油彩「雑木林」出品、光風会展第19回展に油彩「上り道」出品
1938(昭和13)年 25歳
東京美術学校(現東京藝術大学)油画科卒業
1951(昭和26)年 38歳
銀座資生堂で「萩原英雄(油彩)」個展開催
1956(昭和31)年 43歳
銀座養清堂画廊で「萩原英雄版画」個展開催、日本版画協会、第24回展出品、以後、第43回展を除き出品を重ねる
1960(昭和35)年 47歳
第2回東京国際版画ビエンナーレで神奈川県立近代美術館賞受賞
1962(昭和37)年 49歳
第7回ルガノ国際版画ビエンナーレでグランプリ受賞
1963(昭和38)年 50歳
第5回リュブリアナ国際版画ビエンナーレでユーゴスラビア科学芸術アカデミー賞受賞
1966(昭和41)年 53歳
第5回東京国際版画ビエンナーレで文部大臣賞受賞
1967(昭和42)年 54歳
第1回チェコスロバキア国際木版画ビエンナーレでグランプリ受賞
2007(平成19)年
11月東京で歿、享年94歳