金井一郎 翳り絵展 -「銀河鉄道の夜」を巡る旅-

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ページ番号1007164  更新日 2024年9月8日

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作品:丘の上から
《丘の上から》©金井一郎(『銀河鉄道の夜』ミキハウス刊より)

光と影をテーマとする造形作家 金井一郎(1946年-、埼玉県生まれ)。独自の技法「翳り絵(かげりえ)」で表現された宮沢賢治の名作『銀河鉄道の夜』の宇宙景観。その世界は小さな光の粒の集積で描き出され、まるで宇宙できらめく星そのもののように感じられます。

転居などの環境の中で孤独な心情をかかえていた金井は、小学校四年生のときに『銀河鉄道の夜』に大きな影響を受け、その少年時代の強烈な読書体験は、いつしか『銀河鉄道の夜』の世界を視覚化したいという熱意へとつながっていきました。当初は、影絵で制作をしていましたが、「独特の透明感と暗さのある『銀河鉄道の夜』を表現するには平坦な描写では物足りなかった」と言います。長い試行錯誤の末、針で無数の孔をあけた黒いラシャ紙を重ね、後ろから当てた光が針孔を通り複雑に屈折することで独特の立体感と透明感を創り出す「翳り絵」を考案し、繊細な幻想世界の表現を生み出すことに成功しました。

本展では、『銀河鉄道の夜』シリーズより、絵本未掲載を含む翳り絵36点と、乾燥させた植物や木の実のなかに小さな光を仕込んだランプや、ジオラマのような街並みに灯りを灯した物語性あふれるオブジェを展示いたします。その制作の原動力は、「『銀河鉄道の夜』に描かれた青い烏瓜の灯りやジョバンニが彷徨する夜の街の光と影の綾なす世界への尽きぬ興味から」だと言い、現在も制作イメージの源泉となっています。

金井が追い求めた光と影の幻想世界『銀河鉄道の夜』を巡る旅をどうぞご堪能ください。

作品:小さな広場
《小さな広場》©金井一郎(『銀河鉄道の夜』ミキハウス刊より)
作品:りんご(部分)
《りんご》(部分)©金井一郎(『銀河鉄道の夜』ミキハウス刊より)

基本情報

2024年度吉祥寺美術館企画展 金井一郎 翳り絵展 -「銀河鉄道の夜」を巡る旅-

会期 2024年9月21日(土曜)~11月4日(月曜・振休)

休館日 9月25日(水曜)、10月30日(水曜)

開館時間 午前10時00分~午後7時30分

入館料 一般300円、中高生100円、小学生以下・65歳以上・障がい者のかたは無料

主催 武蔵野市立吉祥寺美術館(公益財団法人 武蔵野文化生涯学習事業団)

作品:烏瓜のあかり
《烏瓜のあかり》

関連イベント

講演会(1) 9月28日(土曜)午後2時~午後4時 音楽室

 出演:松田素子氏(編集者・作家)

 申込:9月9日(月)10時よりお電話(0422-22-0385)にて受付開始

 

講演会(2) 9月29日(日曜)午後2時~午後4時 音楽室

 出演:宮沢和樹氏(賢治の実弟・清六氏の孫)

 申込:9月10日(火)10時よりお電話(0422-22-0385)にて受付開始

 

学芸員によるギャラリートーク 10月14日(月曜・祝日) 午後2時~

※事前申し込み不要

 

詳細は「イベント」のページをご覧ください